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TELUS INTERNATIONALのバイトの採用試験に落ちた話

TELUS INTERNATIONALの採用試験を受けました

 TELUS INTERNATIONALのアルバイトに応募しました。最終選考で残念ながら落ちてしまいましたが、採用過程は一通り経験できたと思います。今回は公開できる範囲で採用の概要を記載しながら、検索してもほとんど情報の出てこなかったTELUS INTERNATIONALのバイトの概要をお伝えしていこうと思います。

TELUS INTERNATIONALとは?

 TELUS INTERNATIONALはカナダの会社です。

 TELUS Internationalはカナダのテクノロジー企業で、グローバルな顧客に対してITサービスと多言語カスタマーサービスを提供しています。テクノロジー&ゲーム、コミュニケーション&メディア、eコマース&フィンテック、トラベル&ホスピタリティ、ヘルスケア業界の企業を顧客としています。TELUS Internationalは、2021年2月3日にトロント証券取引所とニューヨーク証券取引所に上場し、ティッカーシンボル「TIXT」で上場しました[3] 。

 かなり広い範囲で事業を展開しているようですが、日本で採用の募集を見かけるのはAIの機械学習に関する物が多いでしょう。

どんな求人が出ているの?

 下記のような形で、日本のバイトの求人サイトに時々求人が出ています。

※掲載終了したようです

 同じTELUS INTERNATIONALの求人でも、事業の範囲が広いためか仕事内容にある程度バラツキがあります。ただ共通しているのは、AIや検索エンジンの先生をするという事です。

 AIの制度がどんどん上がっている事は誰しもが実感している所でしょう。Amazonは自分の買いたくなりそうな物を勝手にオススメしてくれますし、Netflixは自分の好きな動画を自分以上に知っています。検索エンジンも然りです。十年前には関係のないサイトばかりが引っかかっていたGoogle検索も、今ではあらゆる検索キーワードに対して一定の品質のWEBサイトを教えてくれます。

 TELUS INTERNATIONALではこうしたAIや検索エンジンの進化を支えています。

 例えばです。今のAIには、犬の写真を見せると犬だという事が判別できます。他の犬の写真のパターンから数式を導き出し、この写真の色のパターンが犬に近ければ「犬だ」と判断しています。しかし事前に他の犬の写真をたくさん見せておいて、これは犬だと教えてあげる人がいなければ、AIには何が犬なのか分かりません。当然この写真が犬の写真なのかも分かりません。

 そこで「これは犬の写真だよ」と教えてあげる先生役は人間の役割になります。TELUS INTERNATIONALの仕事も、概ねこの先生役をやる事だと考えていいでしょう。

作業に対してAIやプログラミングの知見はいらない

 AIとか検索エンジンとか、機械っぽい単語が出てくるとアレルギーの出る人もいるでしょう。そこに先生なんてキーワードがくっついてくると、とてつもなく難しい事をしなくてはならないと思う人もいるかもしれません。

 しかしこうした印象に反し、実際に行う作業は比較的単純作業です。

 先程の犬の写真の例で言えば、先生役のやる事は単純です。犬の写真を見て「これは犬の写真ですか?」という質問に「はい」と答える。あるいは猫の写真だったら「いいえ」と答える。実際にはもっと複雑な事を判定しなくてはいけませんが、少なくともAIやプログラミングへの知見が求められるような内容ではありません。

 こうした作業ではオフィスへの出社の必要はなく、完全在宅です。採用試験もWEB上で行われ、面接はありませんでした。しかも勢いのある業界だからか時給も2000円に迫る勢いで、就業時間は自由。ちょっと日本にはないような高待遇の求人だと言えるでしょう。

日本で知名度が低い理由

 高待遇の求人であるにもかかわらず、知名度は非常に低いバイトです。考えられる理由をいくつか挙げてみました。

英語力が必要だから

 まずはここです。

 採用試験においては英語しか出てきません。日本語皆無です。履歴書を書くのもテストに答えるのも、全て英語でした。ここで断念する人はとても多いでしょう。

 しかし英語力と言っても、必要になってくる部分は限られます。

 TELUSの方と話す機会は基本的にないので、スピーキングは不要です。リスニングは説明用の動画を見る時には必要かもしれませんが、あまり重要ではありません。

 ライティングをする場面は少しあります。履歴書や自己PRを記入するからです。メールでのやり取りも英語ですからライティングが必要になるでしょう。しかし英文を作成するだけなら極端に大きな苦労は必要ありません。Google翻訳やDeepLを使えば、今なら一定のクオリティの英文はすぐに作成できるからです。

 私が苦労したのはどちらかと言えば履歴書作成です。就活の時に履歴書作成が大変だったように、ここでも英語フォーマットの履歴書をちゃんと作成するのは大変な話です。TELUSの試験を受けると他の英語関連の職にも興味が湧く場合がありますから、なんとか内容を埋めるだけではなく、他の機会でも使い回せるように記録を残しておくのがいいでしょう。

 最も能力が必要なのは**リーディング**でしょう。先生役をやるために、正しく教えるためのマニュアルを読んで理解しなくてはなりません。英文のマニュアルは100Pにわたる場合もあると目にしました。自分の時は10P程度でしたが、それでも基準を理解するのはハードでした。

採用の動きが遅い

 英語力が必要なだけではなく、選考には非常に時間がかかります。自分の時は最後の結果が出るまで1ヶ月半もかかりました。

 履歴書送付→15日待つ→テスト受験→30日待つ→テスト受験

 そこまで判断に時間がかかるような選考ではないので、これだけ待つ事には正直驚きました。またサポートの人の英語も怪しく、あまり会話が成立しない人もいたり、応募やテスト画面のUIが古かったりとストレスを感じる場面は多々ありました。こうした部分で、英語力がある人でも、選考を中断したケースはありそうです。

TELUSのバイトは高時給・完全在宅・要英語だが採用までは遠い

 今回はTELUS INTERNATIONALのバイトについてまとめました。事前に調べても情報が少なく、半信半疑の状態で選考が進みました。実際には何か悪意があるという事はなかったものの、TELUSの大雑把さを感じた1ヶ月半でした。

 一度落ちてもまた別のプロジェクトへ応募はできるらしいです。過剰な期待はしすぎず、長い目で採用される日を待とうと思っています。