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PCキッティング | BIOS・UEFIのパーティションを作成する方法

 PCのキッティングをする方法の一つとして、マスターとなるPCを準備し、SYSPREPを実行してイメージを作成するというものがあります。イメージを複製するとドライバまで一緒にコピーされてしまうので、違う機種のPCにイメージを適用する事はできませんが、同機種を大量に展開する場合には有用な方法です。

 今回はイメージを展開する際に確認する必要のあるBIOSとUEFIのパーティションの作成方法についてのメモを残します。

BIOS・UEFIとは何か?

 BIOSとUEFIは、マザーボードに搭載されているプログラムです。BIOSの方が古く、UEFIの方が新しいプログラムです。

 PCを起動する際にはまずBIOSやUEFIが起動し、その設定に従って接続されているSSD等を起動します。

 これだけ理解していればキッティングには十分だと思いますが、より詳しい解説はEaseUSのサイトが分かりやすいと思います。

完全解説|MBR と GPTの違い、それぞれの特徴、確認方法、相互変換方法など

BIOSではMBR、UEFIではGPTという形式のパーティションを作成する

 BIOSとUEFIではディスクを認識する方法が異なり、OSを起動するためには、それぞれディスクに専用の形式でパーティションを作成する必要があります。

 BIOSではMBR、UEFIではGPTという形式のディスクを認識し、OSを起動する事ができます。マザーボードに搭載されているのがBIOSの場合、OSの入っているディスクのパーティション方式がGPTなら、OSを起動する事はできません。

MBR方式のパーティションを作成するコマンド

 MBR方式のパーティションを作成する場合、diskpartで下記のコマンドを実行します。

select disk 0
clean
convert mbr
create partition primary size=100
format quick fs=ntfs label="System"
assign letter="S"
active
create partition primary
shrink minimum=650
rem ==    c. Prepare the Windows partition ====== 
format quick fs=ntfs label="Windows"
assign letter="W"
create partition primary
format quick fs=ntfs label="Recovery"
assign letter="R"
set id=27
list volume
exit

 具体的にはコマンドプロンプト上でdiskpart を実行し、その上でコマンドを1行ずつ実行するか、下記のようなコマンドを実行します。

 diskpart /s D:\CreateBIOSPartitions.txt

 MBR方式とGPT方式を変換するためにはディスクを初期化する必要がある事に注意して下さい。

GPT方式のパーティションを作成するコマンド

 GPT方式のパーティションを作成する場合、diskpartで下記のコマンドを実行します。

select disk 0
clean
convert gpt
create partition efi size=512
format quick fs=fat32 label="System"
assign letter="S"
create partition msr size=128
create partition primary size=3072
format quick fs=ntfs label="Recovery tools"
assign letter="R"
set id="de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac"
gpt attributes=0x8000000000000001
create partition primary
format quick fs=ntfs label="Windows"
assign letter="W"

 こちらも同様にコマンドで上記を記載したテキストファイルをdiskpartで実行すればパーティションを作成できます。

 diskpart /s D:\CreateUEFIPartitions.txt

MBR方式でもGPT方式でも3つのパーティションが作成される

 どちらの場合もコマンドで下記の3つのパーティションを作成しています。

WWindowsWindowsをコピーする
SSystem起動するためのファイルを格納する
RRecovery

 パーティションが作成できたら、後はコマンドを2つ実行してイメージの適用が完了します。

DISMコマンドでイメージをコピーする

 DISMコマンドを使用し、作成したイメージ(wimファイル)をコピーしていきます。

dism /Apply-Image /ImageFile:d:\image.wim /Index:1 /ApplyDir:W:\

BCDBOOTコマンドで起動用のファイルをシステムパーティションにコピーする

 BCDBOOTコマンドを使用し、起動用のファイルをシステムパーティションにコピーします。

W:\Windows\System32\bcdboot W:\Windows /s S:
BCDBoot のコマンド ライン オプション

まとめ

 イメージを利用したPCキッティングにおける難関はWindows PEの起動とイメージの作成だと思いますが、パーティションの方式というのは意外と詰まり所です。OSの起動が進まず、エラーメッセージのようなものも出ないためです。

 体感としては2020年頃にBIOSとUEFIが切り替わっていったので、古いPCにイメージをコピーしたり、逆に昔からのやり方を引き継いだ場合にハマってしまうケースがあるでしょう。

 こちらを参考に適切な方式のパーティションを作成すれば、イメージ適用の助けになるかもしれません。