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退職者のGoogleアカウントを削除する際に気を付けている事

 

退職者のGoogleアカウントを削除する際に気を付けている事

組織でGoogle Workspaceを利用している場合、基本的には従業員一人に対し、一つのGoogleアカウントを準備する事になります。すると退職時には、退職する人用のGoogleアカウントを削除する事になります。

しかし何も考えずにGoogleアカウントを削除してしまうと、残る人の業務に影響が出てしまいます。削除されたGoogleアカウントがオーナーのファイルは何もしなければ削除されてしまいますから、例えばみんなで使っていたスプレッドシートが突然消えてしまうという事もありえます。

そこで今回はGooglaアカウントを削除する際に注意している点を確認しました。

アカウントの削除方法

Google管理コンソールでアカウントを検索し、「ユーザーを削除」からアカウントを削除できます。

削除前には下記のような画面に遷移し、データの移行をどのようにするか確認されます。

https://storage.googleapis.com/studio-cms-assets/projects/ogO0Yvy5q2/s-1279x794_v-fms_webp_41ef85aa-bb59-4a71-ac54-46c1bc3ebabb.png

今まで受信したGmailをバックアップする

削除されたGoogleアカウントのメールは、基本的には削除されます。

理想的には個人のメールアドレス・メールが削除されても困らないよう、Googleグループ(メーリングリスト)を利用するのが基本でしょう。しかし個人単位でのやり取りが全くなくなるわけではありません。何かあった時、今までのメールを参照する必要が出てくる場合もあります。

会社ではメーリングリストでの運用ができているので個人メールの移行は基本的に行っていませんが、役員等のメールはGoogle Vaultというツールからバックアップを取得しています。

Google Vaultは一定以上のGWSのプランには標準でついております。

アカウントを削除する前に対象者のメールを検索し、データをエクスポートしております。mbox形式でエクスポートを行えば、OutlookやThunderbirdでメールの閲覧が可能です。

この他にも他のアカウントに既存のメールを移行したり、エイリアスを設定してメールを受信したりできるようです。

Googleドライブのデータは管理者アカウントへオーナー権限を委譲する

Googleアカウントに関連して、最も影響が出やすいのはドライブとメールです。そのうちドライブのファイルについては、Google管理コンソールでのアカウントの削除時に移行先の設定が可能です。

移行を行うと、移行先のマイドライブ直下に、移行元のアカウントと同名のフォルダが作成されて、その中にデータが移行されます。「退職者のAさんのデータを捜索してほしい」と言われても簡単にデータの場所の当たりを付ける事ができます。

今は特に利用しておりませんが、データスタジオやカレンダーの予定も引き継ぎを行うことが可能です。

Googleグループを別途作成していないか確認する

Googleグループには、組織外のメールアドレスも含める事ができます。そこで確認したいのが、退職者の私用アドレスが含まれたGoogleグループが残っていないかどうかという点です。

部署や業務によっては、緊急事態には24時間対応が必要になってくる部署があります。特にサーバーやネットワークを管理する部署であれば、業務時間外にアラートメールを受け取るような運用をしている場合があり、Googleグループに私用のアドレスを入れる事で対応を行っております。

こうしたグループについては命名規則を決定し、退職者のアカウントを処理する際に検索で引っかかるようにしておく必要があります。

削除したユーザーは20日間復元できる

下記の手順で削除したユーザーを復元できます。

  1. 「ディレクトリ>ユーザー」を開く
  2. 「その他のユーザー>最近削除されたユーザー」を開く
  3. 「復元」を押す

ユーザーを無効化すれば20日の制限なくアカウントを停止できますが、ライセンス料は変わらず発生します。またユーザーをアーカイブできるAUライセンスというものもあるそうです。

削除時に案内の出ないサービスは専用アカウントを検討する

アカウントの削除時に特に案内の出ないサービスがあります。GCPやGAS、Google AnalyticsやYoutube等です。

これらはGoogleのサービスである事に違いありませんが、どうもドライブやメール等の基幹サービスよりは一段低い扱いをされているようです。これらは管理コンソール側から移行する事は基本できず、各サービスからオーナー権限を移行しなくてはなりません。

管理者側からは誰がどのサービスを使っているか把握する事が難しく、だからと言ってユーザー側でこうした仕様を把握するのも難しいでしょう。

そこでこうしたサービスについては、ユーザーごとに配布しているアカウントとは別のアカウントにまとめてしまうのが良いと思っています。基本は管理者アカウントにオーナー権限を移譲してもらう運用にするか、サービス別にアカウントがあるかという形になるでしょう。

まとめ

Google Workspaceはサービスの変化が激しく、また種類も膨大です。その中で誰がどのサービスを利用し、どう引き継ぐ必要があるのか把握するのは難しい部分もあるかもしれません。

ドライブとメールという基幹となるサービスは確実に方針を固めつつ、会社の業態に応じて対応していくのが良いと思っています。